本作の最大の魅力は、離婚を巡る従来の価値観を鮮やかに覆す、毒気たっぷりの逆転の発想にあります。親権を奪い合うのではなく、いかにして相手に押し付けるかという不謹慎な駆け引きを、ミレン・イバルグレンとパコ・レオンが驚異的な身体能力と絶妙な間合いで演じ切り、観客をノンストップの爆笑へと誘います。
単なるコメディの枠を超え、親という役割に縛られた大人の解放と、家族という絆の再構築を問い直す鋭いメッセージ性が胸を打ちます。虚飾を剥ぎ取った後に残る、不完全で人間味溢れる愛情の形。予定調和を許さない演出が、私たちの固定観念を爽快に破壊し、新たな家族のあり方を提示してくれる傑作です。