本作の真髄は、土着的なフォークとロックが融合した音楽的熱量にあります。舞台の様式美を継承しつつ、若きミロスラフ・ドヌチルの野性味とイヴァ・ビトヴァの神秘的な歌声が、伝説の義賊の魂を鮮烈に蘇らせました。運命に抗う人間の根源的な生命力が、画面越しに激しく鼓動します。
原作の戯曲を映像化したことで、物語は劇場を飛び出し、自然の息吹と身体性が共鳴する叙事詩へと昇華されました。文字や舞台では表現し得ない、風のように自由な旋律と愛の切実さは、映像でしか到達できない官能的な美しさを湛えています。自由への渇望が響き渡る、至高の映像バラッドです。