本作の真髄は、ブラジル映画特有の熱量と、人間の本能を笑いに昇華させる圧倒的な肯定感にあります。過ぎ去りし時代への憧憬を込めつつ社会を軽やかに風刺する手腕は見事です。画面から溢れ出す生命力は、観る者の抑圧を鮮やかに解き放つ、祝祭的なエネルギーに満ちています。
カルラ・カムラチらのキャストが体現する官能性とユーモアの均衡は、映像ならではの多幸感をもたらします。言葉を超えた身体表現の豊かさは、現代人が忘れかけている自由への渇望と生の喜びを情熱的に訴えかけます。理屈抜きで感性を刺激する、映像表現の極致を堪能できる一作です。