あらすじ
同じ登場人物で、それぞれ異なる人物を主人公とした2つの作品(赤の章、黒の章)により構成される連続推理ドラマ。
赤の章~中野 瞳 は、警視庁総務部会計課庶務係で働く一般職。日々、捜査経費の領収書のチェックをしている。天才詐欺師だった父の影響で、犯罪や犯罪を犯す人々の心理に詳しい。彼女は、その人並み外れた推理力と行動力で事件を解決していく。
黒の章~白井 真之介は、「正義にこだわる」弁護士。だがその実態は、金のためなら正義にも平気で目をつむってしまう腹黒弁護士である。毎度毎度、犯人に騙されたり利用されたした挙句、窮地に立たされるが、いつもすんでのところで何とか助かる。だが結局最後は、元の貧乏暮らしに舞い戻ることになる。
作品考察・見どころ
アイスランド特有の乾いたユーモアと、バイオレンスが奇跡的なバランスで同居する本作の真骨頂は、日常の停滞を打破しようとする人間の哀愁と滑稽さを鮮やかに描き出した点にあります。主演のイングヴァール・シーグルソンが見せる、無骨ながらもどこか愛らしいキャラクター造形は圧巻で、観客は彼の不器用な生き様にいつの間にか深い共感を覚えざるを得ません。
また、マイケル・インペリオリが放つ異質な存在感は、閉塞感漂う物語に予期せぬ緊張感と重層的な魅力を与えています。大きな野望を抱きながらもままならない現実に翻弄される人々の姿を通じ、運命の不条理を笑い飛ばすような強烈なメッセージ性が胸を打ちます。冷徹な映像美の中に、温かな人間賛歌が静かに、しかし情熱的に流れている傑作です。