あらすじ
ある日、世界各国の主要都市を謎の巨大ロボット群が襲撃する。それは、ミケーネ帝国の暗黒大将軍によって送り込まれた戦闘獣軍団の先発隊だった。 ニューヨーク、ロンドン、パリ、モスクワを壊滅させたその魔の手は、日本にも伸びていた。東京への襲撃に際し、兜甲児はマジンガーZで出動するが、新たな敵・戦闘獣の攻撃力は機械獣を凌駕しており、大苦戦を強いられる。何とか敵を退けて首都の壊滅は食い止めたものの、マジンガーZが大ダメージを受けたうえに光子力研究所も襲撃されてダイアナンAは大破し、兜シローが生死をさまよう重傷を負ってしまう。シローへの大量輸血による最悪の体調の甲児と、修理できないまま再出撃したマジンガーZの前に、獣魔将軍率いる戦闘獣軍団が迫る。 死を覚悟した甲児の必死の防戦もむなしく、たちまち満身創痍と化したマジンガーZの窮地に、新たなる勇者グレートマジンガーが颯爽と現れる。
作品考察・見どころ
本作の真髄は、無敵を誇った鋼鉄の城マジンガーZが、なす術もなく徹底的に打ちのめされる凄絶な敗北の美学にあります。傷つき、ボロボロになりながらも立ち上がる兜甲児の叫びは、石丸博也氏の魂を削るような名演によって、観客の胸にヒーローの限界と孤独を深く刻み込みます。単なるロボットアクションの枠を超えた、生命の灯火を燃やし尽くすような壮絶な演出こそが、公開から半世紀を経ても色褪せない最大の見どころです。
原作漫画が持つ不気味でダークな世界観を継承しつつも、スクリーンならではのダイナミズムで交代劇を劇的に昇華させている点も白眉です。旧主役機を無惨に破壊し尽くすことで、新主役機グレートマジンガーの圧倒的な力とカリスマ性を際立たせる手法は、観る者に拭い去れない衝撃を与えます。絶望の底で差し込む一筋の光を鮮烈に描き出した本作は、世代交代というドラマを映像の力で神話へと高めた、ロボットアニメ史に燦然と輝く金字塔です。