本作の白眉は、伝説的名優アミターブ・バッチャンが見せる圧倒的な風格と、レヴァティとの間に漂う静謐な絆にあります。瑞々しい恋心を主軸に据えつつも、彼らベテラン俳優の演技が物語に深い重奏感を与えており、伝統的な価値観と新たな愛の形が衝突する瞬間の火花を、エモーショナルかつ高潔に描き出しています。
舞台となるモーリシャスの風光明媚な景観は、境界のない自由な愛を象徴する重要な演出装置として機能しています。社会的な障壁の中で、タイトルの通り「心が望むままに」生きることの尊さを問うメッセージ性は、観る者の魂を激しく揺さぶります。真の心の豊かさとは何かを再確認させてくれる、情熱に満ちた極上の映像詩と言えるでしょう。