豊田利晃監督が2020年の狂騒と静寂の中に叩きつけた本作は、映画を超えた祈りと叫びの結晶です。社会を覆う不条理に対し、映像と音が激突する様は圧巻。全編を貫く剥き出しの怒りと浄化のエネルギーは、閉ざされた時代を切り裂く刃のような鋭さを放っています。
渋川清彦やマヒトゥ・ザ・ピーポーの鬼気迫る演技は、肉体の限界を超えた凄みに満ちています。圧倒的な音響と映像が融合する瞬間、私たちは映画の呪術的な力を体感するでしょう。停滞を破壊し、再生を渇望する生命力が熱病のように伝播する、極めて純度の高い表現に魂が震えます。