本作の魅力は、自称超能力者と物理学者の凸凹コンビが織りなす、唯一無二の掛け合いにあります。仲間由紀恵と阿部寛が体現する、噛み合わないようで絶妙に響き合う空気感は、映画という大きなキャンバスでより鮮明に昇華されました。シニカルな笑いの裏に潜む「偽り」と「真実」の境界線を突く鋭い視点は、観る者の知的好奇心を激しく刺激します。
堤幸彦監督特有のトリッキーな映像美と、孤独な魂が共鳴する切なさが同居する世界観は圧巻です。インチキを暴くという冷徹な行為を通じて、逆説的に人間の弱さや祈りにも似た感情を浮き彫りにする演出は実に見事。嘘が溢れる世界で何を信じ、誰と繋がるべきか。笑いの果てに訪れる深い余韻は、本作ならではの至高の映像体験と言えるでしょう。