本作が描くのは、摂食障害という主題を通じて剥き出しにされる、若者特有の出口のない空虚さです。主演の堀春菜が見せる、震えるような身体性と眼差しは圧巻。吐き出すことでしか己を保てない少女の痛みと、その「空」の胃袋に広がる闇を、カメラは容赦なく、それでいて親密な距離感で捉えきっています。
他者との繋がりの脆さと美しさを炙り出す演出が鮮烈です。生きる味を見失った彼女が、他者の体温に触れ、生の質感を再獲得しようともがく姿は、観る者の魂を激しく揺さぶります。沈黙が雄弁に語る、静謐ながらも圧倒的な熱量を持った傑作です。