あらすじ
主人公・花咲舞は、地位も権力もない、一銀行員。でも、上司に対しても間違っていることは「間違っている」と、はっきり言う性格。事件や不祥事を起こした支店に行き、解決に導く“臨店”という仕事に就いた舞は、「間違っている」と言えず苦しんでいる弱い立場の人たちのためなら、相手が誰であろうがおかまいなしに立ち向かっていく。あきらめないヒロインと、あきらめたオジサンの凸凹コンビが、事件をすっきり解決する痛快オフィスストーリー。舞とコンビを組むのは、出世コースから外れてしまったベテラン行員・相馬健。この、時にシリアスで時にコミカルな凸凹コンビが、銀行内で最大派閥を持つ執行役員・真藤毅と対立しながらも、様々な事件を解決していく。
作品考察・見どころ
この作品の真髄は、若さゆえの無垢さが狂気へと変貌する瞬間の、生々しく暴力的なまでの純粋さにあります。ポスト・ソ連期の荒廃した空気感の中で、格差に抗いながら燃え上がる愛は、単なるロマンスを超えた凄絶な心理ドラマとして観る者の胸に突き刺さります。抑圧された感情が剥き出しの牙を剥く演出は、今なお色褪せない衝撃を放っています。
キャスト陣、特にヒロインが魅せる献身と執着が表裏一体となった危うい眼差しには、言葉を失うほどの魔力が宿っています。愛という美名の下に潜む残酷さを、これほどまで純化して描き切った映像表現は他に類を見ません。観終えた後も、胸の奥に消えない火傷のような痛みと美しき絶望を刻みつける、至極の衝撃作です。