バクチ好きの父親、テツに代わり自宅のホルモン屋を切り盛りしている逞しい大阪の女子小学生の竹本チエ。そんなチエは時々テツと別居中の母ヨシ江と父に秘密で会っており縁日での休みを満喫するが、その現場をテツに見られてしまい…。
高畑勲監督が描く大阪の街並みは、単なる背景を超え一つの人格のように呼吸しています。作品の真髄は、生活の辛苦を笑い飛ばす凄まじい生命力と、その裏に漂う哀愁の同居にあります。緻密な生活描写が、泥臭くも愛おしい人間讃歌を見事に結晶化させています。 中山千夏と西川のりおの魂が乗り移った掛け合いは、まさに芸術的です。子供の真っ直ぐな視点から大人たちの不器用な愛を浮き彫りにする演出は、心に深い余韻を残します。笑いの絶えない喧騒の果てに、温かな涙が零れる本作は、生きる力そのものを肯定する至高の映像体験です。
監督: 高畑勲
脚本: 高畑勲 / 城山昇
音楽: 星勝
制作: 多賀英典 / 片山哲生
撮影監督: 高橋宏固
制作会社: TOHO / Tokyo Movie Shinsha / Telecom Animation Film