死という厳粛な儀式を背景に、滑稽さと哀愁が同居する東欧映画の真髄がここにあります。主人公を演じるグレゴル・バコヴィッチの、抑制された中にも深い人間味を感じさせる演技は圧巻です。葬儀屋という立場から生と死の境界線を歩く彼の姿は、観る者に生きることの不器用さを肯定させる、不思議な包容力を持っています。
乾いたユーモアの奥底には、孤独や虚無感に抗う人間の根源的な生命力が脈打っています。静謐な映像美が際立たせるシュールな演出は、言葉にできない感情を雄弁に物語り、絶望の中にこそ救いがあるという逆説的なメッセージを突きつけます。人生の不条理を笑い飛ばし、なおも愛おしく感じさせてくれる、魂を揺さぶる傑作です。