本作の最大の魅力は、下町の喧騒から魔法の世界へと飛躍する大胆な設定の妙にあります。レオ・ゴーシーとハント・ホールが織りなす阿吽の呼吸は、まさに名人芸。粗野ながらもどこか愛らしい彼らのキャラクターが、幻想的なシチュエーションと衝突することで生まれるエネルギーは、単なるドタバタ劇を超えた、映像エンターテインメントの原点ともいえる輝きを放っています。
特にエリック・ブローの洗練された佇まいが、主人公たちの荒削りなエネルギーと見事なコントラストを成し、作品に独特の気品と厚みを与えています。日常の延長線上にある欲望が、魔法という非日常を通じて暴走していく様は、滑稽でありながらも人間の本質を鋭く突いています。知的な言葉遊びと身体を張ったアクションが融合した、至高の喜劇体験がここにあります。