元山口組顧問弁護士の小説を原作に細野監督が撮った三部作その一。バブル崩壊後の大阪。極道として生きる男と不動産屋若社長との友情、そこに二人が同時に愛する女が加わり、濃厚なドラマが…。
阿部寛の圧倒的な身体性が、画面を切り裂くような緊張感をもたらしています。端正な面持ちをあえて泥臭い暴力の世界に投じ、剥き出しの生存本能を体現した彼の演技は、単なる極道映画の枠を超えた凄みを感じさせます。都会的な佇まいと、泥沼を這いずるような渇望感のコントラストこそが、本作を唯一無二の犯罪ドラマへと押し上げているのです。 組織の論理に翻弄されながらも己の筋を通そうともがく姿は、観る者の心に深く突き刺さります。容赦のない暴力描写の裏側に潜む、やり場のない孤独と哀愁にまで肉薄した演出は、本作を単なる娯楽作ではない、不器用な男たちの熱き魂の記録へと昇華させています。
監督: 細野辰興
脚本: 成島出
音楽: Hiroaki Yabunaka
制作会社: Daiei Film