オランダ初の女性医師アレッタ・ヤコブスの不屈の魂を描いた本作は、単なる伝記を超えた、人間の尊厳を巡る壮絶な闘争の記録です。リュトガルト・ウィレムスが魅せる、冷徹な知性と静かな情熱を湛えた演技は圧巻で、古い因習を打ち破るパイオニアの孤独と高潔さを鮮烈に描き出しています。
ヌシュカ・ファン・ブラーケル監督の演出は、19世紀の閉塞感漂う空気の中に、変革を求める力強い鼓動を宿らせています。光と影を巧みに操る映像美が、彼女の「至高の志」が辿る困難な道のりを象徴的に表現し、観る者の心に消えない勇気の灯を点します。正義のために道を切り拓く姿に、魂が震える一作です。