あらすじ
既存メディアからも異端視される新聞記者、望月衣塑子。権力者たちの疑惑を追求しようと孤軍奮闘するものの、大きな壁や計り知れない重圧にぶつかってしまう。
作品考察・見どころ
組織の論理に抗い「私」を貫く記者の姿を通じ、本作は形骸化した日本の民主主義を剥き出しの熱量で攪拌します。望月衣塑子の執拗な問いかけは、単なる取材を超えた生々しい「個の叫び」であり、システムに埋没して声を失った現代人の良心に鋭い楔を打ち込みます。
森達也監督の視点は、メディアが抱える機能不全や同調圧力の歪みをも冷徹に暴き出します。予定調和を拒み、沈黙を切り裂くカメラの振動は、真実を希求する意志そのもの。この映画は、観る者すべてに「個としての自律」を激しく迫る、極めてスリリングで情熱的な人間讃歌です。