ファブリス・ルキーニとアンドレ・デュソリエという、フランス演劇界の至宝たちが放つ強烈な個性が、閉ざされたサナトリウムという舞台で火花を散らします。本作の真髄は、清廉な空気の中で浮き彫りになる人間の滑稽さと、業の深さにあります。美しい自然の風景が、かえって登場人物たちの内面にある歪みや虚栄心を鮮やかに、そして冷徹に照らし出していく演出が実に見事です。
生と死が隣り合わせの極限状態において、理屈とユーモアで武装しようとする人々の姿は、観る者に人間の愛おしさと残酷さを同時に突きつけます。単なる喜劇の枠を超え、ある時代の終焉を予感させるようなデカダンスが漂う映像美は、言葉にできないほど芳醇です。静寂の中に潜む皮肉と、名優たちの濃密なアンサンブルが生み出す至高のドラマを、ぜひ全身で浴びてください。