本作の最大の魅力は、タイトルが示す通りの徹底したセルフパロディ精神にあります。ホラー映画の様式美を逆手に取り、観客が抱く「なぜ逃げないのか」というフラストレーションを、ブラックユーモアを交えて快感へと昇華させる手腕が見事です。ジャンルの定石をあえてなぞりつつ、その背後にある不条理さを浮き彫りにする演出は、低予算ながらも強烈な作家性を感じさせます。
キャストたちの熱演も特筆すべき点です。極限状態での愚かな選択を大真面目に演じ切ることで、恐怖と滑稽さの境界線を巧みに突き進んでいきます。洗練された映像美とは対照的な、生々しく泥臭いDIY精神に溢れた視覚表現は、デジタル時代にはない独特の熱量を持ち、観る者のジャンル愛を激しく刺激してやみません。