あらすじ
シングルマザーのサンドラ(クレア・ダン)は、2 人の幼い子どもたちと共に、虐待をする夫のもとから逃げ出すが、公営住宅には長い順番待ち、ホテルでの仮住まいの生活から抜け出せない。ある日、娘との会話から小さな家を自分で建てるというアイデアを思いつく。サンドラはインターネットでセルフビルドの設計図を見つけ、清掃人として働いている家のペギー(ハリエット・ウォルター)、建設業者のエイド(コンリース・ヒル)など、思いがけない人々の協力を得て、家の建設に取り掛かる。しかし、束縛の強い元夫の妨害にあい…。サンドラは自分の人生を再建することができるのだろうか?
作品考察・見どころ
本作の真髄は、剥奪された尊厳を「自らの手で家を建てる」という行為を通じて再構築していく凄まじい生命力にあります。主演のクレア・ダンが自ら脚本を手掛け、剥き出しの痛みと再生への渇望を体現した演技は、観る者の魂を激しく揺さぶります。システムに頼らず他者との連帯で絶望から這い上がる姿は、現代社会において強烈な輝きを放っています。
セルフビルドという演出が、壊れた人生を自ら補修するメタファーとして見事に機能しています。フィリダ・ロイド監督の慈愛に満ちた視線は、個人の闘いを普遍的な勇気の物語へと昇華させました。絶望を希望へ塗り替える彼女たちの情熱に触れたとき、自立の本当の意味を突きつけられ、震えるほどの感動を覚えるはずです。