あらすじ
もうすぐ17歳になるプリュダンスは母を亡くしたばかり。父は海外出張、姉は母がいない自宅を離れてしまう。広いアパルトマンに一人悶々と過ごすも、刺激を求めて万引きをしたり不良少女のマリリンを通じて違法バイク・レースの世界に入り込む。同じ年頃のフランクと恋心なく彼と一夜を過ごすも心は決して満たされない。プリュダンスの身勝手な態度に激怒したフランクは別の少女と街の中をバイクで走り出す。だが、その直後にフランクは事故を起こしてしまう…。
作品考察・見どころ
本作の圧倒的な引力は、主演のレア・セドゥが放つ危ういまでの透明感と、観客の肌を刺すような生々しい映像美に凝縮されています。思春期特有の痛切な孤独を、揺れ動く光やエンジンの轟音で描き出す演出は、まさに映像表現でしか到達し得ない領域。喪失から逃避するように彷徨う少女の視線は、鋭い棘を持ちながらも触れれば崩れそうな儚さを纏い、私たちの心に深く沈み込みます。
単なる青春ドラマを超え、本作が突きつけるのは痛みを引き受ける覚悟という普遍的なテーマです。若さゆえの無軌道な熱量と、その裏に潜む深い沈黙の対比が、作品の輪郭を鮮烈に際立たせます。冷え切った日常で自身の存在を確かめようとする彼女の叫びは、説明を削ぎ落としたからこそ、純粋な感情の震えとなって魂に直接訴えかけてくるのです。