あらすじ
作する若者や悲しみを抱える女性たちだけでなく、その家族の人生にまで入り込み、思いのままに彼らを操る詐欺師。そのゆがんだ欲望は尽きることがない。
作品考察・見どころ
園子温監督が放つ、人間の深淵をえぐり出すような狂気のエネルギーが圧巻です。特に椎名桔平が見せる、言葉巧みに他者の心を支配し崩壊させていく圧倒的なカリスマ性は、観る者の倫理観を激しく揺さぶります。信じたいものを盲信してしまう人間の弱さを冷徹に暴き出し、魂を解体していく過程は、比類なき心理スリラーとしての深みを湛えています。
作中のメタ構造は虚構と現実の境界を消失させ、観客を出口のない迷宮へと誘います。極彩色の過剰な演出の中で剥き出しになる叫びは、現代の孤独と愛への渇望を鮮烈に象徴しています。鑑賞後、己の価値観が根底から覆されるような、暴力的でいて甘美な映画体験を約束する衝撃作です。