イタリア喜劇の至宝アルベルト・ソルディをはじめとする名優たちが織りなす、滑稽でいて痛烈な人間模様にこそ本作の真髄があります。特にソルディが見せる、欲に駆られながらもどこか憎めない小市民的な佇まいは圧巻。富を前にした人間の浅ましさを、これほどまでに洗練されたユーモアへと昇華させた演出力には脱帽するほかありません。
単なるコメディの枠を超え、本作は予期せぬ幸運が暴き出す人間の本質を鋭く突いています。金銭という欲望のトリガーによって剥がれ落ちる虚飾、そして露呈する醜態さえも極上のエンターテインメントに変えてしまう。銀幕から溢れ出す圧倒的なエネルギーとテンポの良い掛け合いは、観る者の心に、人生の皮肉と可笑しみを鮮烈に焼き付けます。