本作は六〇年代のアイコン、イーディ・セジウィックの虚像を剥ぎ取り、その魂の深淵に肉薄するドキュメンタリーです。ダニー・フィールズら目撃者の証言は、一人の女性が抱えた脆さと、時代を焼き尽くすような鮮烈な輝きを浮き彫りにします。銀幕越しに訴えかける彼女の眼差しは、今なお観る者の心を激しく揺さぶります。
特筆すべきは、ナット・フィンケルスタインらによる生々しい映像表現です。ザ・ファクトリーの狂乱を捉えたレンズが、虚飾を排した美を提示します。消費される偶像の悲劇ではなく、一人の人間が放った究極の熱量を、映像特有の親密さで描いた極めて私的な叙事詩です。