本作が放つ魅力は、単なるコメディを超えた「敗者たちへの讃歌」という深遠なテーマにあります。世間から見放された人々が、尊厳を取り戻すために情熱を燃やす姿は、滑稽ながらも胸を打つ切実さに満ちています。どん底を笑い飛ばす香港映画特有のバイタリティが、観る者の魂を激しく揺さぶるのです。
フランシス・ンとエリック・ツァンの演技合戦は見逃せません。狂気と哀愁が混じる繊細な表情の変化は、映像でしか成し得ない物語を紡いでいます。夢に破れたことのある全ての大人に贈る、泥の中から立ち上がるための至高の人間讃歌と言えるでしょう。