絵美子は夫・正雄の浮気現場を目撃してしまうが、夫を問い詰めることも出来ず日々鬱積した気持ちで暮らしていた。夫との仲も不仲になる一方。またそんな両親の状況を知ってか21歳になる娘の初穂も両親に反抗し、朝帰りを繰り返すようになっていた。
葉山レイコさんが放つ、静かながらも芯の通った色香が作品全体を支配しており、日常の裏側に潜む危うい情動を鮮烈に描き出しています。平穏な生活という仮面の下で、抑えきれない渇望が露わになっていく過程は、観る者の心に深いさざ波を立てるでしょう。繊細なライティングと影の使い方が、言葉にならない切なさを美しく物語っています。 柴木丈瑠さんとのアンサンブルが、禁断の恋というテーマに新たな息吹を吹き込み、単なる背徳感を超えた純度の高い感情の揺れを表現しています。誰しもが抱える孤独と、それを埋めようとする人間の根源的な熱情を問いかける本作は、観る側の倫理観を静かに揺さぶり続け、忘れがたい余韻を残す珠玉の大人のドラマです。
監督: 児玉宜久
脚本: 村川康敏
制作会社: Toei Company / Legend Pictures