本作の真髄は、王道ファンタジーの皮を被りながら、既存の正義や運命論を軽やかに裏切るパンキッシュな精神にあります。圧倒的な作画密度で描かれるスペクタクルな映像美は、単なるダイジェストの域を完全に凌駕しており、銀幕でこそ真価を発揮する濃密な熱量を放っています。
吉野裕行が演じるファバロの、型破りながらも芯の通った軽妙な演技は、作品に唯一無二の躍動感を与えています。神、悪魔、人間が入り乱れる混沌とした世界で、運命に翻弄されるのではなく、自らの足で「自由」へと踏み出す泥臭くも気高い葛藤こそが、観る者の魂を激しく揺さぶる本質的な見どころです。