伊藤一が網走刑務所での体験をもとに執筆した小説を、高倉健主演で映画化したアクション・シリーズの第3弾。男気あふれる一匹狼的主人公が、無法地帯となっていた漁港の蟹工船を舞台に、弱きを助け決闘するさまを爽快に描き出す。
高倉健という不世出のスターが放つ、孤高の静寂と爆発的なエネルギーの対比こそが本作の真髄です。極寒の地を舞台に、背負った宿命を拳一つで突き抜けていく主人公の姿は、単なる勧善懲悪を超えた人生の哀愁を漂わせます。彼が体現する「耐える美学」は、理不尽な現実を生きる我々の魂を激しく揺さぶり、静かな情熱を呼び覚ましてくれます。 星由里子が添える凛とした華やかさと、谷隼人が見せる若々しい躍動感は、高倉の重厚な演技と見事な化学反応を起こしています。吹き荒れる雪原の冷たさと、裏腹に燃え上がる男たちの情念。映像が捉えるその過酷なまでの美しさは、逃れられない運命の中でも己を貫くことの尊さを、言葉ではなく魂に直接訴えかけてくる傑作です。
監督: 佐伯清
脚本: 村尾昭
音楽: 八木正生
撮影監督: 飯村雅彦
制作会社: Toei Company