本作の真髄は、ミシェル・ガラブリュら名優たちが放つ、計算し尽くされた滑稽さと圧倒的な人間味のアンサンブルにあります。八十年代フランス喜劇特有の、軽やかでありながらも毒を含んだユーモアが全編に溢れ、観る者を理屈抜きに楽しませる生命力に満ちています。俳優たちの表情一つひとつが雄弁に物語る「生の肯定」は、映像という媒体だからこそ捉えられた一瞬の輝きです。
「もし私の顔が気に入ったなら」という問いかけが示唆するのは、社会的な仮面を脱ぎ捨て、剥き出しの個性をぶつけ合う解放感に他なりません。ドタバタ劇の裏側に潜む、人間の愚かさへの愛おしさと、常識を鮮やかに裏切る演出の妙。固定観念を軽快に突き破る彼らの姿は、現代を生きる私たちに、自由であることの痛快さを強烈に突きつけてくるのです。