若松孝二監督による本作は、1960年代後半の閉塞感と狂気を、剥き出しのモノクローム映像で切り取ったアヴァンギャルドな傑作です。狭小な空間に渦巻く暴力と性の衝動は、単なるスキャンダリズムを超え、当時の若者が抱えていた出口のない虚無感や、社会構造への痛烈な反抗心を体現しています。
特に、状況劇場を率いた唐十郎の圧倒的な存在感が見どころです。彼の放つ異様なエネルギーと、剥き出しの肉体が放つエロティシズムは、画面の中で異質な火花を散らし、観る者の倫理観を激しく揺さぶります。生理的な嫌悪感と美しさが同居する独創的な演出は、時代を超えて観客の魂に爪痕を残す、あまりにも純粋で暴力的な愛の形と言えるでしょう。