主演のドリー・デイヴィスが放つ圧倒的な可憐さと、サイレント映画ならではの饒舌な身体表現こそが本作の真髄です。光彩を放つ彼女の瞳と細やかな仕草は、言葉以上に雄弁に心の機微を伝え、観る者を当時のパリの華やぎへと誘います。映像芸術としての純粋な美しさが、一瞬一瞬のカットに凝縮されている点は圧巻です。
社会的な枠組みに囚われず、自らの幸福を追求するひたむきな精神性は、時代を超えて私たちの胸を打ちます。シモーヌ・マルイユら実力派が織りなすアンサンブルは、優雅な物語の裏に深い人間賛歌を刻み込んでいます。愛と自立という普遍的なテーマを魔法のような映像美で描き出した、色褪せない傑作です。