本作は医療ドラマの枠を超え、生と死の境界に立つ人間の尊厳を極限まで突き詰めた一作です。元理学療法士の監督による圧倒的なリアリティは、救えない命とどう向き合うかという、逃れようのない問いを観客に突きつけます。静謐な絶望の中に灯る微かな光を掬い上げる演出は、倫理観を揺さぶり、魂を激しく震わせるでしょう。
主演の三浦貴大が見せる冷静さと脆さが同居した演技は、専門職としての葛藤をこれ以上なく雄弁に物語っています。共演陣が織りなす感情の機微もまた、人生の重みを鮮烈に描き出します。人生という本に挟まれた「栞」が、どれほど残酷で、かつ美しいものであるかを証明する、今こそ観るべき傑作です。