小林稔侍氏が演じる窓際太郎の最大の魅力は、昼行灯を装いながらも、権力の腐敗を鋭く射抜く「静かなる正義」の圧倒的なカタルシスにあります。第30作という節目を迎え、その様式美は究極の域に達しており、弱き者の涙を拭い去る愚直なまでの誠実さが、現代社会で摩耗した我々の心に熱く響きます。
内山理名氏らとの絶妙なアンサンブルは物語に瑞々しい躍動感を与え、山本圭氏が醸し出す重厚な品格が作品の格調を一段と引き上げています。単なる娯楽作の枠を超え、組織のしがらみに抗いながら矜持を貫く男の生き様は、見る者に深い感動と明日への希望を灯す珠玉のドラマです。