田原俊彦というスターが、日本一有名なサラリーマンに扮した本作。最大の魅力は、原作のリアリズムを銀幕特有の華やかさへ昇華させた大胆な解釈にあります。組織の歯車でありながら個を失わない島耕作の姿は、時代の熱狂を体現した彼だからこそ表現できた唯一無二の英雄像です。
弘兼憲史の原作が持つ愛憎劇を、麻生祐未や若き日の豊川悦司らが放つ色気と演出で包み込む手腕も見事。静止画では描けない生々しい人間ドラマは、映像ならではの醍醐味です。情熱と野心が渦巻く極上のエンターテインメントへと昇華させた本作を、ぜひその目で目撃してください!