ある夜、とある病院にお腹を異常に膨らませた少女が救急患者として担ぎ込まれてくる。やがて腹は大きく裂け、そこから女の頭部が現われ「私は富江。」とつぶやく。それ以降、手術に立ち会った院長や看護婦たちに次々と異常なことが起こる。
宝生舞が演じる富江の冷徹な美しさと、それに翻弄される山口紗弥加の震える演技が本作の白眉です。観る者を狂気へ引きずり込む圧倒的なカリスマ性は、まさに実写映像でしか到達できない領域。窪塚洋介らが見せる、執着の末に壊れゆく熱演も、静かな恐怖を鮮烈に増幅させています。 伊藤潤二の原作が持つ不気味な造形を、本作は湿度ある映像美で再構築しました。単なる怪物の再生譚に留まらず、精神を侵食する「概念」としての恐怖を際立たせており、実写ならではの生々しい美学が、原作の不条理な魅力をより深淵なものへと昇華させています。
監督: 光石富士朗
脚本: Satoru Tamaki / 伊藤潤二
音楽: 遠藤浩二
制作: Yasuhiko Higashi / 土川勉
撮影監督: 山本英夫
制作会社: Daiei Film