あらすじ
転校生・川上富江の魔性に引き込まれたかのように、男子生徒は彼女の虜になってしまった。彼らの富江への愛はやがて殺意に変貌し、彼女の耳を鋭利な刃物で切り落としてしまう。しかし、その耳は生き物のように動き回る。
作品考察・見どころ
松本莉緒が体現する富江の、触れれば壊れてしまいそうな危うさと、他者を破滅へと誘う絶対的な支配力のコントラストが圧巻です。閉塞感漂う日常が、彼女という異物の侵入によって音を立てて崩壊していく過程は、美しさと悍ましさが表裏一体となった映像美で綴られます。静謐なカットに潜む狂気が、観る者の生理的な恐怖をじわじわと逆なでする演出は、シリーズ屈指の緊張感を誇ります。
本作の本質は、人間の内側に潜む独占欲や嫉妬といった醜いエゴを増幅させ、鏡のように映し出す装置としての富江にあります。増殖し続ける彼女の姿は、一度囚われたら逃れられない愛憎の連鎖そのものであり、理性では制御不能な人間の根源的な業を鋭く問いかけてきます。ただのホラーに留まらない、魂を侵食するような冷徹な眼差しに、私たちは最後まで魅了され続けるのです。