1950年代のアイスランドを舞台に、閉塞感漂う村へ舞い降りた女性が放つ、異質な輝きが本作の真骨頂です。厳しい自然美と共鳴する冷徹な色彩設計が見事で、保守的な社会の裏側に潜む欲望を、乾いたユーモアを交えて鮮烈に描き出しています。
主演のマルグレート・ヴィルヒャルムスドッティルの圧倒的な存在感は圧巻です。彼女の謎めいた微笑みは女性の力強さと危うさを象徴しており、少女の視点から語られる毒気を含んだ物語は、観る者の倫理観を心地よく揺さぶります。既成概念を打ち砕く野性的なエネルギーは、魂に深い余韻を刻みつけることでしょう。