ある時、日本で暮らしていた外国人女性リリーが行方不明になり、やがて死体となって発見される。友人であるルーシーに容疑がかけられるが、2人の女性の間にはミステリアスな日本人カメラマン、禎司の存在があった。
本作の真骨頂は、八〇年代東京の異質な空気の中で描かれる、抑制された狂気と罪悪感の交錯にあります。アリシア・ヴィキャンデルが見せる静謐かつ危うい演技は、異邦人が抱える深い闇を浮き彫りにします。愛執という歪んだレンズを通した心理描写は、観る者の心拍数を静かに、しかし確実に引き上げていきます。 原作の内省的な独白を、映画は「写真」という視覚装置を用いて見事に昇華させました。静止画に刻まれた一瞬の真実が、言葉以上に多くを語る演出は映像ならではの醍醐味です。地震の予兆が都会の孤独と共鳴し、観客を逃げ場のない迷宮へと誘う、芸術的な香気を纏った至高のサイコスリラーです。
監督: Wash Westmoreland
脚本: Susanna Jones / Wash Westmoreland
音楽: アッティカス・ロス / レオポルド・ロス
制作: Ann Ruark / Michael A. Pruss / Georgina Pope
撮影監督: 정정훈
制作会社: TWENTY FIRST CITY / Scott Free Productions