この作品は、ポルトガル超現実主義の巨星クルゼイロ・セイシャスの魂を解剖する、極めて濃密なドキュメンタリーです。画面越しに伝わるのは、単なる記録を超えた生々しいまでの芸術への執念。盟友マリオ・セザリニーとの愛憎半ばする絆が、往復書簡という形を通して詩的に、かつ残酷なほど美しく描き出されています。
静謐な映像の中にほとばしる知性と狂気の火花こそが最大の見どころ。老境のセイシャスが放つ眼光は、失われゆく時間の中で永遠を捉えようとする者の凄みに満ちています。創造することの孤独と悦び、言葉の裏に潜む情熱。本作は、観る者の美意識を根底から揺さぶり、芸術という名の迷宮へ誘う究極の招待状なのです。