本作の真髄は、ジャック・デュフィロ演じる大佐が体現する「硬直化した権威」への強烈な皮肉にあります。軍隊という閉鎖的な組織の中で、滑稽なまでに自らの正当性を疑わないその姿は、爆笑を誘うと共に組織の不条理を鋭く突いています。アルド・マッチョーネとの掛け合いが、作品全体にイタリア映画特有の情熱的な熱量を与えています。
特筆すべきは、ドタバタ劇の中に潜む人間の愚かさを愛でるような眼差しです。言葉の壁を超えた豊かな身体表現は喜劇としての純度を極限まで高め、理屈抜きで観客を惹きつけます。失敗を認めない強情さが、いつしか愛おしい生命力へと昇華される演出のマジックは、まさにイタリアン・コメディの到達点と言えるでしょう。