あらすじ
2008年に勃発した世界戦争により、地球が変貌を遂げてしまった20年後の世界。野生児コナンとおじいの暮らす孤島・のこされ島に、ある日不思議な少女ラナが流れ着いた。二人に助けられたラナはコナンと仲良くなるが、旧時代の文明を誇示して世界の派遣を狙う「インダストリア」の工作員・モンスリーたちによって連れ去られてしまう。そのときの争いでおじいをなくしたコナンは、ラナを追ってのこされ島を後にする。ラナは太陽エネルギーの秘密を握るラオ博士の孫であり、太陽エネルギーを支配しようとする「インダスリア」の行政局長レプカに追われていたのだった。ラナを救うために立ち上がったコナンの冒険の旅が始まった。
原作との違い・作品考察
宮崎駿監督の初期衝動が詰まった本作は、重力を無視するようなダイナミックなアクションと、圧倒的な生命力に満ちた描写が最大の魅力です。崩壊した世界を生き抜く少年の躍動感は、映像だからこそ表現し得た肉体の解放であり、観る者の本能を激しく揺さぶります。小原乃梨子氏をはじめとする声優陣の熱演が、過酷な運命に立ち向かう人々の尊厳を鮮やかに描き出しています。
原作の小説と比較すると、物語の悲観的な側面を削ぎ落とし、未来への希望と活劇性を前面に押し出した大胆な改変が見事です。活字では捉えきれない風の匂いや海の広がりを、緻密なレイアウトと大胆な構図で視覚化した本作は、アニメという表現形式でしか到達できない高みを示しています。文明への警鐘を鳴らしつつ、愛と勇気を信じ抜く力強いメッセージは、今なお色褪せない輝きを放っています。