1970年代の空気を中村雅俊という稀代のスターを通して鮮烈に切り取った本作は、青春の焦燥と輝きを真っ向から描いています。夢と現実の狭間で揺れ動く若者たちの形にならない情熱が、叙情的な映像美とともにスクリーンから溢れ出し、観る者の胸に普遍的な熱量として突き刺さります。
檀ふみ、竹下景子の透明感溢れる佇まいは、刹那的な時間の尊さをより際立たせます。過ぎゆく時の残酷さと美しさを、俳優陣の繊細な演技と詩的な演出が見事に捉え、観客自身の心の奥底にある情景を呼び覚まします。人生の岐路に立つすべての人に捧げられた、魂を震わせる珠玉の一作です。