本作は、彗星のごとく現れ去った伝説的アーティスト、レナ・スヴェドベリの魂を追う至高のドキュメンタリーです。彼女の過激で風刺的な作風を、静謐かつ熱烈な視線で切り取る映像美は、観る者の美意識を根底から揺さぶります。失われた才能の残照を、断片的な記録から再構築する演出は、まるで銀幕に亡霊を呼び出すかのような凄みに満ちています。
ステラン・スカルスガルドの抑揚の効いた語りと、共に時代を歩んだカール・ヨハン・デ・ギアの重厚な回想が、記憶の深層へと我々を誘います。創造と破壊が背中合わせに存在する芸術の真髄を、痛切なまでのリリシズムで描き出しており、一人の女性が抱えた孤独と情熱が、時代を超えて突き刺さる傑作と言えるでしょう。