本作の真髄は、フィリピン映画界の至宝である二人の名優が放つ、圧倒的な解放のエネルギーにあります。老境の女性たちが長年の抑圧を脱ぎ捨て、己の欲望と尊厳のために奔走する姿は、滑稽でありながらも猛烈に気高く、観る者の心に眠る反逆精神を鮮やかに呼び覚まします。
社会的な枠組みを軽やかに超え、毒気のある笑いの中に真実の連帯を描き出した演出は実に見事です。単なるロードムービーに留まらず、人生の終盤に訪れる真の覚醒を活写する本作は、魂を束縛から解き放つ至極の人間ドラマ。今こそ人生を謳歌したいと願う全ての人に捧げられた、美しくも情熱的な賛歌といえるでしょう。