エリック・ロメールが描く南仏の眩い陽光と、肌を焦がすような静寂がこの作品の真髄です。自然光を駆使した映像美は、登場人物の不安定な自意識を暴き出す残酷なまでの美しさを湛えています。何もしない贅沢の中に潜む言葉の刃を研ぎ澄ませた心理戦は、観る者の知性を心地よく刺激して止みません。
男たちの傲慢な理論を、無言の存在感で瓦解させるアイデ・ポリトフの佇まいが圧巻です。本作は誘惑という遊戯の本質を冷徹かつ優雅に切り取り、洗練された映像に人間のエゴを鮮烈に浮かび上がらせた傑作です。そのあまりにも美しい夏の断片に、誰もが心を奪われるはずです。