時は幕末。尊皇攘夷の声はいよいよ高まり、日本は激動の時代を迎えつつあった。そんなある日、青森県の小さな村でひとりの若者が育ての母と姉を殺害したという罪で、村人に追われていた。手にはしっかりとを握りしめて・・・。
りんたろう監督の過剰なまでに様式化された映像美は圧巻です。劇画的な明暗の対比と画面を切り裂くスピード感は、アニメーションにおける静と動の表現を極致へと押し上げています。主演の真田広之による熱量高い演技が、数奇な運命に翻弄される主人公の孤独と執念を鮮烈に描き出し、観る者の魂を激しく揺さぶります。 幕末から世界へ飛躍する壮大な物語を、宇崎竜童のロックが加速させる構成も白眉です。己のルーツを探る旅が歴史の闇を暴いていくカタルシスは、時代劇の枠を超えた普遍的な叙事詩の輝きを放っています。映像表現の限界に挑んだ制作者の情熱が結晶化した、まさに日本アニメ史に刻まれるべき情熱的な傑作です。
監督: りんたろう
脚本: 矢野徹 / Mori Masaki
音楽: 宇崎竜童 / 林英哲
制作: 丸山正雄 / Satoru Ikegami / りんたろう
制作会社: Madhouse / KADOKAWA