イタリアの現代社会を背景に、対照的な生き方を選ぶ二人の姉妹が織りなす「愛の形」の再定義こそが本作の真髄です。ミケーラ・アンドレオッツィとクラウディア・ジェリーニという実力派の化学反応は、軽妙なコメディの枠組みを借りながらも、女性の身体的自由と自己決定権という重厚なテーマを鮮やかに浮かび上がらせています。
監督を兼任したアンドレオッツィの演出は、繊細な題材を決して感傷に流されることなく、溢れんばかりのユーモアと慈しみをもって描き出します。制度や常識に縛られない「新しい家族のあり方」を肯定する力強い眼差しは、観る者の心に深い余韻を残し、人生の不確実さを愛する勇気を与えてくれる傑作です。