平和維持活動という重厚なテーマを、痛烈な風刺と愛すべきユーモアで包み込んだ本作の真髄は、狂気と日常が隣り合わせの極限状態を喜劇として描き切った点にあります。主役の不器用で実直な佇まいが、国境や政治という高い壁を容易く飛び越え、観る者の心に人間本来の温かさを情熱的に訴えかけます。
映像表現では、乾燥した大地の色彩と多国籍なキャストが織りなす文化の衝突が鮮烈なコントラストを生んでいます。言葉の壁を超えて響き合う感情の機微は、映画だからこそ成し得た表現であり、争いの虚しさを鋭く突く演出は見事です。混沌とした世界で愛というシンプルな答えを提示する、魂を揺さぶる一作です。