あらすじ
香港人の父と日本人の母との間に生まれた李紅竜は、兄・万青が東京で突然失踪したことを知り来日。兄は香港警察のGメンで、ある日本の企業を調査中だった。その企業とは、表向きは貿易会社だが、裏で莫大な麻薬を取引している巨大麻薬組織。兄の手掛かりを求めて少林寺拳法の恩師を訪ねた紅竜は、そこで知り合った女拳法使い・早川絵美と、拳法の達人・響征一の協力を得て、巨大麻薬シンジケートに潜入する。だが、そこに待ち受けていたものは、廃人同然の姿となった兄と、凄腕武道家たちの猛攻撃だった...。
作品考察・見どころ
本作の最大の白眉は、主演・志穂美悦子が放つ、既存のアクション女優の概念を粉砕する圧倒的な身体能力と気迫にあります。単なる吹き替えではない、鍛え抜かれた本物の空手アクションが銀幕を切り裂く様は圧巻。彼女の瞳に宿る烈火のごとき闘志は、観る者の魂を震わせ、闘う女性の美しさと強さを極限まで体現しています。
演出面では、七〇年代東映アクション特有の過剰なまでのエネルギーが横溢しています。血飛沫と打撃音が交錯するバイオレンスな映像美の中に、正義を貫く者の孤独と高潔さが鮮烈に描き出されています。言葉を超えた肉体の対話こそが、本作が半世紀を経ても色褪せない理由であり、全編に漲る熱量は観る者の五感を激しく刺激して止みません。