あらすじ
一人の少年がスキップしながら通りを歩いているうちにどんどんジャンプが大きくなって町を越え、森を飛び越え、海を越えて、どんどん、高く高く、遠くへ遠くへジャンプして行くことになり、ついには戦争中の国へ--。 ひとりの少年のジャンプがそのまま人類の行く末を見直す神のジャンプとなって行くところが面白い作品です。 全編ワンカット、動画枚数4000枚という驚きに世界が目を丸くして数々の賞に輝きました。
作品考察・見どころ
手塚治虫が放つ本作の真髄は、観客を重力から解き放つ驚異的な一人称視点にあります。跳躍の高度が増すごとに変容する風景、そして落下時の凄まじい疾走感は、アニメーションの本質である「運動の快楽」を純粋に結晶化させたものです。固定概念を飛び越え、世界を俯瞰する視座のダイナミズムに、観る者は瞬時に魂を奪われることでしょう。
しかし、単なる映像実験に留まらないのが巨匠の凄みです。無邪気な跳躍はやがて文明の闇や戦火を捉え、個人の営みが歴史という大きなうねりに飲み込まれていく無常観を浮き彫りにします。言葉を介さずとも、この一跳びには人類への痛烈な風刺と、生命への力強い讃歌が凝縮されています。今こそ目撃すべき、普遍的な価値を持つ衝撃作です。
映画化された原作や関連書籍を読んで、映像との違いや独自の世界観を楽しみましょう。