この作品の真髄は、密室の極限状況で爆発する人間の醜悪さと滑稽さの融合にあります。自称「神」の圧倒的威圧感が、家族の情念を暴き出す過程は圧巻。実力派俳優たちが理性と狂気の境界で魅せるエネルギッシュな演技は、観る者の倫理観を激しく揺さぶります。
本作が突きつけるのは、究極の選択を前に露呈するエゴという鏡です。絶対的な権威すら都合よく解釈しようとする人間の業を、洗練されたブラックユーモアで描いています。恐怖と笑いが交錯する映像美の果てに、我々は自らの中に潜む「神」と「獣」の正体を突きつけられるはずです。